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 ■vol.15 洗濯で使うエネルギーを減らすには?

(キーワード:洗濯、洗濯機、エネルギー)


7月に日本政府が、二酸化炭素の排出が多い古い石炭火力発電所による発電量を2030年度までに9割程度削減するという方針を発表しました1。国際的に高まっていた日本の石炭火力発電の利用に関する批判に応え、パリ協定の目標達成に向けて取り組んで行く姿勢を国際社会に示すものとなっています。このような方針を評価する一方で、今後さらに温室効果ガスを出さない脱炭素化への道筋を示していくことも国際社会から問われるだろうと専門家が指摘しています。

この方針により今後の日本のエネルギー供給は変化していくことが見込まれます。2018年度の国内発電量のうち、石炭火力が占める割合は31%とのことなので、これを今後どう補っていくのかを考えていく必要があります。

私たちの日々の洗濯ではどのように有効にエネルギーを使えるでしょうか。経済産業省資源エネルギー庁の資料によると1973年に比べて日本のエネルギー消費量は増加、家庭部門は約2倍に増加しています。
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(参照:経済産業省資源エネルギー庁ウェブサイト


その家庭部門で増加しているエネルギー消費量を少しでも減らしていくため、洗濯で出来る省エネ方法をまとめてみました。

  • まとめ洗いをする:少量の洗濯物を毎日洗うよりも、洗濯機の容量に合わせて洗濯回数を少なくする。洗濯物の量の目安は洗濯機の大きさの7〜8割2

  • 洗う回数を少なくする:汗をあまりかかなかった等、洋服が汚れていなければ何回か着てから洗うようにする。シャツやブラウスは2回程、ジーンズは4〜5回程、セーターは6回程、タオルも3回ほど使用したら洗うなど、洗う回数自体を減らしていく3

  • スピードコースを使う:洗濯機にスピードコースのメニューがあれば自動的に使う電力が少なくて済むので、それを活用する4

  • 水で洗う:30℃で洗濯した場合のエネルギー消費量は、40℃の場合の40%であるという結果が出ている5

  • すすぎ一回で済む洗剤を使う:すすぎ回数が減り、脱水時間も短くなる6

  • 衣類乾燥はできるだけ自然乾燥:扇風機の風を当てると早く乾く。扇風機の消費電力はわずかなため、乾燥機を使うより省エネになる7

  • 縦型洗濯機よりドラム式洗濯機の方が省エネ:エネルギー消費量を比較するとドラム式洗濯機の方が少ない8

  • なるべく新しい洗濯機を使う:10年前の洗濯機と最新の洗濯機の電気代を比較すると、洗濯時・乾燥時ともに新しい洗濯機の方が少ない。乾燥にかかる電気代も同様。年々洗濯機の省エネ性が上がっているので、古い洗濯機より新しい洗濯機の方が省エネになる9

それ以外にも洗濯による環境負荷を減らす方法があります。
  • 環境に優しい洗剤を使う:なるべく生分解性の高いものを使う。

  • マイクロファイバーの流出を防ぐ:洗濯時にフィルターバッグを使い、マイクロファイバーの下水への流出を減らす10
洗濯一つを見てみても、環境負荷を少なくする方法が多くあることがわかります。家族形態や生活形態によっても必要な洗濯の頻度が変わってきますが、毎日洗濯をしなくてはいけない状況であってもその中でできることは何かを考えて出来ることから実施してみることが大切だと思います。求める清潔感も個人差があるので、洗濯回数を減らすというのは抵抗のある方も多いかもしれません。全てできなくても、このリストからできることを選んで、少しずつ実施していくことで環境負荷を減らしていけると思います。

経済産業省資源エネルギー庁が省エネポータルサイトで家庭向け省エネ関連情報を掲載しています。日々の生活の中でどのように効率的にエネルギーを使えるか、具体的な方法をわかりやすく説明していますので、ぜひそちらもご参照ください。