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 ■vol.5 衣類と環境問題

(キーワード:繊維、洋服、ファストファッション、資源、環境負荷)

皆さんは一着の洋服を捨てるまで何回着ていますか?

ZARA、H&Mなどのファストファッションが流通し、安くファッションを楽しめるようになりました。その一方で、そのような洋服は7回着用されると捨てられていると、イギリスの慈善団体(Barnado)が発表しています。またウォール・ストリート・ジャーナルによると、アメリカ人は1980年代に比べて約5倍の衣料品を購入し、2018年時点で年間一人当たり約68着買っていたと報告しています。
世界では約800億着の衣料品が消費され、今後10年でさらに加速する可能性があるというのです。日本国内でも、家計調査から推計される国内総消費数量は約13億5200万点ほどになるそうです(参照)。

世界人口は2030年には約85億人となる予想で、消費習慣が変わらなければ世界で消費される衣料品は年間6200万トンから約63%増加し、1億2000万トンになると予想されています。

大量に生産、消費される生地の繊維は、60%以上が化石燃料由来の合成繊維で、埋め立てられても分解されないとニューヨーク・タイムズが報告しています。またファッション業界は世界中で排出されている排水の20%、炭素の10%を占めており、2050年までに炭素排出量は25%まで増加すると予測されているそうです。繊維の染色は世界の水質汚染の2番目の要因とされており、一本のジーンズを製造するのに約2000ガロン(約7570リットル)もの水を使用するとのデータもあります(参照)。木綿のTシャツ一着の製造には約2650リットルの水が必要になるとのことです(参照)。
さらに、同業界による炭素排出量の大部分はまだ着用可能にも関わらず最終的に埋め立てられてしまう衣料を製造するときに排出されているそうです(参照)。

では洋服を買わないで、レンタルしたらどうかと考えてみましたが、その環境負荷に関しては次のブログで書きたいと思います。こちらの記事も是非ご参照ください。