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 ■vol.2 洗濯から発生、下水をすり抜けて海に流れるマイクロファイバー

(キーワード:洗濯、環境、マイクロファイバー、マイクロプラスチック)

ポリエステルやナイロン、アクリルなどの合成繊維の衣類を洗濯するとマイクロファイバーと呼ばれるマイクロプラスチックが発生することをご存知でしょうか。最近、海のプラスチックごみに関する問題がニュースでよく取り上げられるようになり、マイクロプラスチックという言葉を耳にすることも増えました。そのマイクロプラスチックの中からマイクロファイバーが見つかっています。

合成繊維を洗濯するとマイクロファイバーが擦れ落ちます。マイクロファイバーは極めて小さいため、下水処理場をすり抜け、川や海に流れ込んでしまうのです。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者は、合成フリースのジャケットが一回の洗濯で平均して約1.7 グラムのマイクロファイバーを放出していることを発表しています。新しいフリースより古いフリースの方が2 倍近く、マイクロファイバーを多く放出しているそうです。

このようなマイクロファイバーは食物連鎖に影響を与えます。魚などの水生生物の体内に入り込み、特に食物連鎖の上位にいる大型動物の体内で毒素を蓄積する可能性があるそうです。

ニューヨーク州立大学フレドニア校のSherri Mason 教授は北米の五大湖(スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖、オンタリオ湖)でマイクロファイバーに関する調査をした結果、ミシガン湖で発見された破片の中で2番目に多かったのがマイクロファイバーだったと発表しています。また、これらの湖に流れ込む支流の破片の中の約71%を占めたのはマイクロファイバーだったそうです。海だけでなく川や湖でもマイクロファイバーが蓄積しているこということです。

アウトドア用品を扱う企業もこの問題に取り組み始めているとのことですが、私たち一人一人も洋服を買う時に、どういう繊維で作られているのかを見て、私たち以外の動物や地球に想像を膨らませてみるのが必要かもしれません。

今回のブログはこちらの記事を参照しました。ぜひご一読ください。